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文豪しのぶ路地の夕暮れ (4/4ページ)

2014.5.20 14:55

閑静な住宅街の路地は、自転車が通り抜ける生活道路でもある=2014年5月11日、神奈川県鎌倉市雪の下(比較明合成、渡辺照明撮影)

閑静な住宅街の路地は、自転車が通り抜ける生活道路でもある=2014年5月11日、神奈川県鎌倉市雪の下(比較明合成、渡辺照明撮影)【拡大】

  • 石段の苔にシャガの花が映える。新緑が目にやさしい=2014年5月5日、神奈川県鎌倉市雪ノ下の妙法寺(渡辺照明撮影)
  • もうパラソルの季節。路地の向こうは相模湾=2014年5月11日、神奈川県鎌倉市坂ノ下(渡辺照明撮影)
  • 大佛次郎茶亭では、土日祝日限定でカフェ「大佛茶廊」を営業=2014年5月5日、神奈川県鎌倉市雪の下(渡辺照明撮影)
  • 神奈川県鎌倉市

 苔石段の上に出て、さらにもうひとつ長い石段を上がると、山の中腹にその草庵跡と伝えられる石碑があった。

 そこからもまた、上りの山道が続く。裏山の頂上付近には、南北朝時代の大塔宮護良親王の墓。後醍醐天皇の第三皇子で、鎌倉幕府倒幕の兵を率いたが、後に足利尊氏と対立して捕らえられ、鎌倉で非業の死を遂げた。その護良親王の子である日叡上人が草庵跡に堂伽藍(がらん)を復興したのが妙法寺だという。

 親王の墓の付近は木々の間に少し眺望が開け、鎌倉市街地と海岸線が見える。新緑の境内を歩いている間は、深い木立に覆われて聞こえなかった町の音が、親王の墓のあたりまで上がると逆に届いてくる。

 静寂と喧噪(けんそう)の不思議なコントラスト。歴史の変遷に耐え、寺社に守られ、鎌倉に住む人にも鎌倉を訪れる人にも親しまれてきた…その豊かな自然がいかに貴重なものであるか。至近の町が眼下に広がる分だけ、その奇跡が身にしみて伝わるようでもある。(文:編集委員 宮田一雄/撮影:写真報道局 渡辺照明/SANKEI EXPRESS

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