≪「感無量」 観衆の心揺さぶる踊り≫
今回のために作られたねぶたのデザインは「不動明王」。悪を降伏させるために剣とひもを持ち、津波のような青い波を押さえつけている。幅約7メートルで、台車を含めた高さは4.5メートルもある。裏には、福島などから青森に避難した26人が「感謝」などと書いたメッセージが張られた。ねぶた師の穐元和生(あきもと・かずお)さん(65)は「迫力をつけるために筋肉を強調した。これを見て多くの人が元気をもらってほしい」と話した。
市内上空では5月24日午後0時半から、航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)所属の飛行チーム「ブルーインパルス」の飛行展示が行われた。上空300~400メートルで大きなハートが描かれると、市民から歓声が上がっていた。
沿道に詰めかけた人は、復興を誓って繰り広げられる熱のこもった踊りや技に盛んに手拍子や拍手を送りながら鑑賞していた。山形市の病院勤務、佐藤亜紀さん(36)は「震災の年に生まれた次女と見られて感無量です」と語った。また、パレードを最前列で見物していた宇都宮市の自営業、石川治子さん(70)は「踊り手のみなさんが懸命に踊っている姿にとても感動した。東北の人たちの魂を感じた」と満足そうに話していた。
来年は秋田市で開催する予定。(写真・文:写真報道局 大西史朗/SANKEI EXPRESS)