6月3日の次回協議で、政府側は集団的自衛権に絡む8項目の説明に入る予定だ。しかし、次回協議でグレーゾーン分野が合意できるかどうかは微妙だ。
菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は27日の記者会見で、政府側のスケジュールについて「与党協議の結果に基づき、政府としての対応を検討する。憲法解釈の変更が必要と判断されれば、閣議決定する」と述べた。
≪防衛相命令で出動 離島防衛の親類型検討≫
武装集団が離島へ不法上陸した際の自衛隊対処として、政府が防衛相の命令で出動できるようにする新たな行動類型の設置を検討していることが5月27日、分かった。自衛権に基づく「防衛出動」と警察権に基づく「治安出動」の際に必要となる閣議決定と国会承認を省き、海上保安庁や警察が対応できない場合に自衛隊の速やかな対応を可能にするためで、有事に至らない「グレーゾーン事態」への具体的対応の柱とする。
政府内で検討されている新類型は、防衛出動と治安出動の間に位置づける。ただ、新類型は外国航空機が国際法に違反して領空に侵入する場合の「対領空侵犯措置」や「弾道ミサイルの破壊措置命令」を参考にする。
対領空侵犯措置の場合、命令決定権者は防衛相にあり、首相の命令・承認や閣議決定は不要だ。手続きが複雑な防衛出動では間に合わない事態に備えて、弾道ミサイルの破壊措置命令も、防衛相が首相の承認を得て命令できる。