制度が柔軟なのは、瞬時を争い迅速な対応が求められる上、自衛隊しか対応できないことが背景にある。武器使用による国民への影響が少ないことも共通点にあり、「グレーゾーン事態も似た状況にある」(政府関係者)という。自衛隊の最高指揮官である首相の承認を要件に加えることも検討している。
新類型の武器使用基準は「治安出動」を準用する。根拠規定となる自衛隊法90条は、武器使用の範囲を正当防衛などに限定せず「事態に応じ合理的に必要と判断される限度」と定めている。自衛隊は「暴行や脅迫の鎮圧」もできる上、武器使用基準を拡大しないため、自衛隊の権限強化に慎重な公明党の理解が得やすいとみている。
ただ政府内には、「現行法制に隙間はない」とする公明党への配慮から、自衛隊出動の可否判断をあらかじめ閣議決定で首相に一任する案も浮上している。グレーゾーン事態の対応については自民、公明両党の「安全保障法制整備に関する与党協議会」が27日、議論を本格化させた。(SANKEI EXPRESS)