米軍部隊が11年5月、パキスタン北西部でビンラーディンを殺害したことはオバマ政権の成果といえる。09年に大統領に就任したオバマ氏は、イラク戦争を前政権の「負の遺産」として扱い、撤退を急いだ。これに対し、アフガンでは09年に3万3000人の増派を決めており、最大で10万人規模とした自らの戦争でもある。
オバマ氏は記者会見で「敵を決定的にたたき、選挙された政権に移行させ、治安部隊に全責任を持たせる。これが21世紀の戦争終結の形だ」と述べた。
相次ぐテロ行為
米政府は9800人の残留部隊がアフガン軍や治安部隊に訓練を施すことで、「アフガンでアルカーイダが再編成できないようにする」(チャック・ヘーゲル国防長官)と強調している。
ただ、11年のイラク撤退後、イラクではイスラム武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」などの活動が活発化し、相次ぐテロ行為により治安は悪化している。アフガンでも米軍の攻撃に際しアルカーイダをかくまったイスラム原理主義勢力タリバンの脅威は消えていない。