彼らが手作りにこだわるのは、手作りの器には時代を超えて人の心を動かす大きな力があると考えるからだ。揺るぎない信条に基づいて作り出された器は、上絵付けの鮮烈さと染め付けの色の深み、そして丈夫で美しい生地という、素晴らしい特色を持ち合わせている。
このご時世に手間暇を惜しまずものづくりを続けるのは、綺麗(きれい)事では済まされない大変な苦悩を伴う。しかし、それでも彼らは、卓越した技術の鍛錬だけに気持ちを奪われることなく、われわれ、すなわち使う側のことを第一に思うものづくりを続けている。こうした姿勢は、彼らの作り出す絵皿を初めとする割烹食器から感じ取ることができるだろう。私も愛用者のひとりであるが、数多くある磁器の中でも産地を超え時代を超えて、多くの人々に同窯の器が愛される理由は、器を通して知れる彼らの強い思いに心が共鳴するからではないだろうか。
手間の価値
上出長右衛門窯の作る絵皿のように鮮やかな美しさを備えた絵皿は、日常に心地よいトリップをもたらしてくれる素晴らしい道具である。