日本(にっぽん)維新の会の「分党」について大阪市で記者会見する橋下(はしもと)徹共同代表(左)と国会内で新党参加者のリストを示す石原慎太郎共同代表=2014年6月5日(共同)【拡大】
ただ、今回の分党で政界再編が進むという見方はやや早急ではないだろうか。生活の党の小沢一郎代表は4日、日本記者クラブでの会見で「日本維新が憲法そのものの考え方の違いで党を分かつことになった。(他の野党でも)集団としての考え方の整理が進む」と話した。
今や政党の改編にかけては政界随一の権威ともいえる小沢氏の言葉だけに傾聴に値するが、野党再編には考え方の違いを認めて整理するだけでなく、再統合を可能にするほど新しく、かつ大きな旗印が必要だが、維新系も石原氏らも現段階ではそれを示せていないからだ。
確かに、維新系は「大阪都」構想や地方分権など基本政策があり、石原氏らは自主憲法制定という主張を持つ。問題はこれらの政策や理念が他党を巻き込み、新しい再編の軸となるか、有権者の期待を集めるような旗にできるかどうかだ。もしそれができず、他に代わるものを打ち出せないなら、いくつもの前例と同様に衰退の運命は避けられない。