寄席は落語家のホームグラウンド。私も中学を出た15歳から「前座」として寄席で働き出した。
前座という身分は3~4年続き、基本休みなし。毎日、毎日、働きます! 楽屋でお茶をいれ、師匠方の着付けを手伝い、脱いだその着物もたたみ、落語の間に舞台に出てきて座布団を返してめくりをめくる「高座返し」を行い、出囃子の太鼓もたたく。
寄席5軒、昼と夜…
東京都内の寄席は、上野鈴本演芸場、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場の5軒。上席(かみせき、6月1~10日)・中席(なかせき、6月11~20日)・下席(しもせき、6月21~30日)と、1カ月を10日ごと、3つに区切り、それぞれ昼席と夜席がある。それぞれ期間・時間帯ごとに内容は異なる。つまり、1つの寄席だけで1カ月に6つのプログラムが楽しめるというわけ! そして31日のある月は、余った一日の会で「余一会」(よいちかい)と題して昼夜特別興行が行われている。