香港紙明報(電子版)は6月5日付の社説で、「六四事件(天安門事件)をめぐる香港の役割としてまずなすべきは、『記憶の強化』と『記憶の消滅』の戦いを勝ち抜くことだ。中国当局は全国民に六四事件の記憶を失わせ、その歴史的犯罪行為を抹消しようとしている。これがまさに今、大陸で起きていることだ」と訴えた。
「これはコソボ?」
事件が起きた6月4日に毎年香港で行われる犠牲者追悼集会には今年、過去最多の18万人(主催者発表)が参加。香港社会がなお、事件を強く「記憶」にとどめていることを印象づけた。だが、香港の懸念は、事件があった北京ですら、もはや現実となっている。
そのことを如実に物語るエピソードが6月4日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)が掲載したジャーナリスト、ルイザ・リム氏の寄稿に記されていた。