それによると、リム氏は最近、事件の直後に天安門に通じる長安街で、戦車の列に立ちはだかった、「無名の反逆者」として知られる若い男性の写真を手に、北京市内の4つの大学を訪れた。だが、取材した学生100人のうち、「写真が1989年6月に北京で撮影されたものだと知っていると答えたのは、わずかに15人。好奇心から目を見開いて『これはコソボ?』と聞いた学生もいれば、恐る恐る『韓国?』と言った学生もいた」という。
憂うべき若者の無関心
6月4日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)も「忘れさせられた天安門」と題した北京在住の20代の女性ジャーナリスト、高雨●(=くさかんむりに辛)氏の寄稿を掲載した。
事件当夜、まさに長安街で惨劇を目の当たりにしたという両親から当時の話を聞き、米国留学を通じて統制とは無縁の国外の情報に接してきた高氏は、中国が経済発展を遂げる中、ぬくぬくと育った同世代の中国の若者たちの実態を憂えた。