「人々の政治や公民権へ冷淡さを最もよく表しているのは、人々の記憶から事件の真相を消し去ろうとする中国共産党のたくらみに対する若者の無関心だ」
都合の悪い事実を隠蔽(いんぺい)し、自己正当化を図る点で、天安門事件を中国と周辺国との領有権問題に結びつける見方もあった。フィリピンの英字紙マニラ・タイムズ(電子版)は「天安門の記憶喪失」と題した6月2日付社説で、真実をひた隠す中国の手法を、「西フィリピン海(南シナ海)や、東シナ海の領有権主張を正当化するときと同じだ。中国は巨大な政治装置を使って自国民を洗脳し、実際は近隣諸国に属する島嶼(とうしょ)の領有を主張できる神権があるかのように、信じ込ませている」と指摘。続けて「アジア太平洋地域の懸念を深める潜在的な引火点をつくってきたのは、この手法だ」と中国を批判した。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)