独自の近未来感覚
そんなレジェンドから数多くのことを学んだトマゾの音楽もまた、ジャズに軸足を置きながら、さまざまな要素を混在させたクロスオーバーミュージック。しかも70年代の影響を受けつつ、トマゾは電子音楽やドラムンベース、ブレークビーツといった今日的なサウンドを視野に入れている。モダンな音色の選択や空間的な音の加工、そして、浮遊感あふれるコード進行、更には幻想的な女性ボーカルの導入で独自の近未来感覚を獲得し、そのサウンドはコズミック・フュージョンと形容される宇宙的異種配合音楽の様相を呈している。
さしずめ、現代版の『リターン・トゥ・フォーエバー』といったところだろうか。ピアニスト、チック・コリアが結成して人気を博したジャズ/フュージョン・グループを彷彿させる音楽性は、若い世代のみならず往年のファンにも受け入れられるに違いない。