スタジアム「相性いい」
一方、香川は公式練習で、初戦の会場となるレシフェのペルナンブコ・アリーナのピッチに立った。昨年(2013年)6月19日のコンフェデレーションズ杯イタリア戦でゴールを決めた験の良いスタジアムだ。「点を取ったスタジアムは全部覚えている。相性はいい」と、高ぶる感情を抑えるように体をほぐして決戦に向けた準備を整えた。
香川の胸には雪辱の思いがある。4年前、W杯南アフリカ大会の代表入りを果たせず、練習の補助役「サポートメンバー」としてチームに同行した。代表選手は23人で4人いたサポートメンバーは背番号24~27のユニホームを与えられた。香川は24番。国外開催のW杯で初のベスト16入りの快挙を支えた「一員」として、他の3人は記念に代表選手のサインをユニホームにもらった。
しかし、その時のサポートメンバーで、今はW杯の代表に名を連ねる酒井高徳(ごうとく、23)=シュツットガルト=によれば、「香川君はそういうことはしなかった」という。あと一歩届かなかったW杯への、焦がれるような思いが胸にあったのだろう。無邪気に周囲と喜び合えるほど、気持ちの整理もついていなかった。