ただ、攻撃には標的の的確な選定が欠かせない。その前提となる情報収集能力は、2011年の米軍撤退後、大きく落ち込んでいるとみられる。さらに、一般の軍隊と比べて規模や組織性に劣る「イスラム国」の拠点を絞り込むのは至難の業。不用意な攻撃で民間人が犠牲になった場合、米国が厳しい非難を受けることにもなりかねない。
ジョン・ケリー国務長官(70)は14日、イラクのホシヤル・ジバリ外相(60)との電話協議で、「米国の支援が成功するのは、イラクの指導者が違いを乗り越えて国家として団結するときだけだ」と強調。イスラム教シーア派主導のマリキ政権だけでなく、スンニ派やクルド人の権利の尊重が重要と指摘した。
一方、英BBC放送(電子版)は15日、クルド人民兵らの支援を受けたイラク政府軍が、ISILに制圧された数カ所の町を奪還するなど、進撃を食い止めているもようだと報じた。
政府軍は首都バグダッドの北方約120キロにあり、戦闘の前線となるサマラで兵力を増強しており、主要都市ティクリートの奪還作戦を準備しているという。(ワシントン 加納宏幸、エルサレム 大内清/SANKEI EXPRESS)