そして、最後にカバの儀式です。カバとはバヌアツの伝統的な飲みもの。コショウ科の植物の木の根をつぶして、こしたものを、ココナツの器に入れて一気に飲みます。味は泥水のよう。決しておいしくはないのですが、お酒のような酩酊(めいてい)作用があり、祭りでは必ず男たちは飲まなければなりません。
古くから、カバを飲むと先祖と会話ができるとされ、村で問題が起きたときは、チーフがカバを飲んで、先祖の助言をもらって解決に導きました。現在は、女性も飲むことができ、そこら中にカババーがあるので、バヌアツ人にとってはとりあえず1杯のビールのような身近なものになっていますが、やはり、儀式のときのカバとなると神聖なものを感じます。
最初の1杯を地面へ注ぎます。これは先祖に娘の健康と明るい未来をお願いするため。その後、この村のチーフ、主人と続いて、最後は、名付け親のジョージが飲んで、セレモニーは終了。とてもシンプルで簡単な儀式ではありましたが、これからバヌアツで育つ娘に、ますますすくすく育ってほしいという気持ちがこみ上げてきました。