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ジャンル分けできない世界を書きたい 「グレイ」著者 堂場瞬一さん (3/4ページ)

2014.6.17 14:35

デビュー以降ハイペースで作品を発表し続ける堂場瞬一(どうば・しゅんいち)さん。「好きなことを書いてお金をもらってこんなにいいことはない」=2014年5月21日、東京都千代田区(野村成次撮影)

デビュー以降ハイペースで作品を発表し続ける堂場瞬一(どうば・しゅんいち)さん。「好きなことを書いてお金をもらってこんなにいいことはない」=2014年5月21日、東京都千代田区(野村成次撮影)【拡大】

  • 作家の堂場瞬一(どうば・しゅんいち)さん。「等身大の悪」を描いた本作。自ら「堂場新時代の前夜」と位置づける=2014年5月21日、東京都千代田区(野村成次撮影)
  • 「グレイ」(堂場瞬一著/集英社、1600円+税、提供写真)
  • 南米チリ発のミステリー「ネルーダ事件」(ロベルト・アンプエロ著、宮崎真紀訳/早川書房、1836円、提供写真)

 人間よりも社会全体を

 “巨悪”ではなく、どこにでもある“悪”を。その理由は、警察小説の名手がなぜピカレスクロマンを、という問いへの答えにも通じる。「今回登場するのはみな『小物』。あえて下の人間しか書いていない。ここ数年、人間を書きたい、というよりも社会全体を書きたいという衝動があって。(人間の生きている総体的な現実を文学作品として表現する)全体小説、ですね。それには上から下までを描かなければいけない。今回の作品はそのための『前夜』です。波田もこれから書かれる作品に、何らかの形でリンクするかもしれない」

 大きな嘘をつく喜び

 2001年のデビュー以降、新聞社に勤めながら作品を執筆していたが、12年末に専業に。日中はジムに通ってトレーニングをし、執筆のための体力作りを欠かさない。「感覚としてはアスリートに近い。自分の競技のためには努力を惜しまない、という。好きなことを書いてお金をもらえる。こんないいことないですよね」

 来年、著書が通算100作目を迎える予定だ。「そのあたりから、少しずつ書くものが変わっていくんじゃないかな。永遠に書けるわけではないから、やりたいことを全て書いてしまいたい。僕は、ジャンル小説を書いていますが、そういうジャンル分けが好きではない。ジャンル分けできない世界を書きたい。それがこれから10年間の目標になると思う」

作家 堂場瞬一略歴

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