とはいえ、日本を代表するエンタメ作家としての矜持(きょうじ)は十分だ。「登場人物は自分と重なる部分があるか、とよく聞かれますが、絶対にない。せっかく物語という虚構の世界を描く権利を神様から与えられているのに、なぜ自分のことを描かなければならないのか、という感じ。大きな嘘をつく喜びを放棄したくないですね」
一日も欠かさず執筆する。「僕は『Born To Write』(書くために生まれた)だから」-。このせりふが、ここまで決まる作家もいないだろう。
■どうば・しゅんいち 1963年、茨城県生まれ。青山学院大学卒。新聞社勤務の傍ら小説を執筆し、2000年『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞。「刑事・鳴沢了」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズ、「アナザーフェイス」シリーズなど人気シリーズを数多く生み出している。『解』『検証捜査』など著書多数。
「グレイ」(堂場瞬一著/集英社、1600円+税)