大きい個体では体長が5メートル以上に及ぶ世界最大のエイ、オニイトマキエイは通称「マンタ」と呼ばれる。海の中で優雅なダンスを見せるマンタだが、実は乱獲のために絶滅の危機にひんしているという。
マンタの魅力にひかれた女性海洋探検家のアンドレア・マーシャル博士は、世界有数のマンタの生息地に移り住んで研究を続ける。長い間マンタは1種類だけしかいないと考えられてきたが、マーシャル博士は少なくとも2種類に分けられることを発見するなど、研究によって種の存続が危ぶまれるマンタを救う道を模索する。
「マンタの生態や行動について毎日驚くような新しい発見があります」と話すマーシャル博士。研究拠点とするのは、アフリカのモザンビーク南部にある人里離れた海岸だ。この地域一帯は遭遇率が90%以上といわれる世界有数の「マンタスポット」でもある。
マーシャル博士によると、マンタは魚類の中で最大の脳を持ち、信じられないほどの距離を泳ぎ、海面から1.5キロほどの深さまで潜ることができるという。約40年の寿命の間、眠ることなく泳ぎ続ける。好奇心が旺盛で賢く、人間と触れ合ったり遊んだりするのが大好きだ。