海面付近で餌を取ることが多いため、釣り針や漁網に絡まったり、船に衝突したりすることがよくある。ある日、漁網に絡まったマンタが博士の元へやってきて痛みに耐えながら釣り針や釣り糸を取り除くのを辛抱強く待っていたという。「並外れた信頼を人に寄せてくれるのです」とマーシャル博士はいう。
≪実は3種 緻密な観察が結実≫
今、マンタの生息数は激減している。食用や漢方薬の原料に使うために乱獲が行われているからだ。野生のマンタは2、3年に1匹しか稚魚を産まないため乱獲が行われると種の存続が危ぶまれる。世界のマンタの数は激減していてマーシャル博士が活動するモザンビークではわずか10年で88%以上も減少した。
また、博士は毎日数回海に潜り、衛星タグを取り付けてマンタの行動を観察、さらに遺伝子サンプルを収集するなどして、約950もの異なるマンタをデータベース化。大半は見分けがつくという。