安倍晋三首相が6月14日、島根県出雲市を訪れ、全国の都市部から島根県内に移住した「地域おこし協力隊」の若者らと意見交換した。
地域おこし協力隊とは、都市部の若者らが1年から3年、地方に移り住んで農林漁業の応援、住民の生活支援などに従事し、希望すればその地域への定住も可能という制度で、地域おこしと若者定住の「二兎を追う」政策として総務省が進めているものだ。
日本でいま危惧されていることは、高齢者が亡くなる一方で、地方に働く場のない若者が都会に出て行き、その結果、人口減・税収減に陥った地方の市町村が消滅するという負のスパイラルである。地域に工場を誘致したり、公共事業を拡大したりという施策は過去のものだ。一筋縄ではいかない地域再生の現場で、若者のアイデアを生かす地域おこし協力隊は意外に健闘しており、安倍首相が協力隊に焦点をあてたというのも時宜を得たことである。