米国発の「デジタル・デトックス」という概念が急速に広まり出している。デトックスとは「解毒」という意味で、寝ても覚めてもネットにつながっているような「オンライン人間」が、ネットやスマホから少し離れる習慣(オフライン休暇)を定期的に取り入れ、依存症から脱しようという考えだ。
カリフォルニア州では、スマホ・ネット断ちを強いる3泊4日のデジタル・デトックス・キャンプが570ドル(約5万8000円)という決して安くはない費用にもかかわらず、大変な人気を呼んでいる。デジタル環境が整い、あふれる情報が万人でシェアされる中、今や逆に「圏外」を買う時代が始まったのかもしれない。
自然の中で3泊4日
サンフランシスコから車で2時間ほどかかるカリフォルニア州北部の街、ナバロ。自然豊かな広大な森林が特徴のこの街では昨夏、「キャンプ・グラウンデッド(楽しみを奪われたキャンプ)」と銘打った1週間に及ぶデジタル・デトックス・キャンプが試験的に行われた。参加者はグーグル、フェイスブックなど州内の名だたるIT企業に勤める人たちを中心に数百人に及び、大好評だった。