≪一様な欧米化 過渡期の世代≫
たしかに、今の世代は伝統から現代への過渡期にあたる。
例えばサンペドロの登山ツアーで同行した49歳の山岳ガイドの男性。彼は自分の祖父母はツトゥヒル語(マヤ系言語のひとつ)しか話せず、彼自身も子供時代はツトゥヒル語を話していた。しかし現在、将来仕事を見つけやすい、という理由だけで自分の子供とスペイン語で会話し、民族の言葉は話せなくてもいいと言い切った。
また、湖畔の別の町、サンフアンで知り合った2人の子供を持つセシーリア(33)の娘も民族衣装ではなく洋服を好み、息子は携帯電話を肌身離さず持ち歩いて、いつも英語のヒップホップの曲を大音量で流していた。ウイピルを着たセシーリアの「私にはまったく理解できないわ」といった、批判するわけではないが、どこか寂しげな表情が印象的だった。
人々の変化を目の当たりにしながら「昔の日本と似ているな」と強く思った。日本人も和服から洋服に移行し、生活習慣や価値観も欧米化してきた。かつ、欧米文化が魅惑的である印象を、少なくとも私は持ちながら子供時代を送った。