大阪府寝屋川市で2010年、当時1歳の三女に暴行を加え死亡させたとして傷害致死罪に問われた父親の岸本憲(あきら、31)と母親の美杏(みき、31)両被告の上告審の弁論が6月26日、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)で開かれた。いずれも検察側求刑(懲役10年)を上回る懲役15年とした1、2審判決について、弁護側は「量刑の均衡を甚だしく欠いた重い判決」と主張。検察側は「裁判員裁判の量刑判断は十分尊重されるべき」と上告棄却を求めた。
2審の結論見直しに必要な弁論が開かれたため、1、2審判決が見直される可能性がある。
1審大阪地裁の裁判員裁判判決は、憲被告の暴行が死因につながったと認定。美杏被告の共謀も認めた上で「殺人罪と傷害致死罪との境界線に近い」などとして懲役15年を言い渡した。
2審大阪高裁も「検察官の求刑を大きく上回っているなどの事情があるからといって、重すぎて不当とはいえない」などとして、1審を支持した。
1、2審判決によると、両被告は共謀し10年1月、寝屋川市の自宅で、憲被告が三女、瑠奈ちゃんの頭を平手で強打して床に打ち付けるなどの暴行を加え、10年3月に死亡させた。