英労働党のジム・シェリダン議員(61)は英紙ガーディアンに「FBは人々の私生活にかかわる部分を操作していた。私はFBや他のSNSが、人々の政治信条といった考え方を操作できる能力を持つことを危惧(きぐ)する」と非難。「こうした操作から人々を守る法律が必要だ」と訴えた。
論文の編集を担当した米プリンストン大学のスーザン・フィスケ教授(心理学)は複数の欧米メディアに「研究者としてきちんと手順を踏んだ調査であり、倫理上の問題ないが、拡大する怒りのレベルから考えれば、実行すべきではなかったかもしれない」と悔やんだ。
3年前の「アラブの春」で中東での民主化運動に大きな影響を与えたように、ソーシャルメディアは情報を瞬時に拡散し、利用者の行動を左右する性質を持つ。今回の秘密実験は、情報伝達の過程で、利用者が知らないうちに感情を増幅させられる恐れを示しており、ソーシャルメディアの便利さと不気味さを改めて利用者に突きつけることになった。(SANKEI EXPRESS)