成田は「電子音的なアプローチの印象が薄まったように感じるのは、バンド全体のスキルアップが影響していて、自然にこういった変化をもたらしたと思います。さらに昨今はやっているエレクトロなロックをそのままやるのではなく、自分たちの持つ音楽性の豊かさをしっかりと反映させた作品に仕上げたかった、という狙いがありました」と振り返る。
東京芸術大学出身の成田は、ピアニストとしてクラシックの素養がありながらも、くせのあるトリッキーなキーボードのフレーズを弾く。絵の才能を持つ大胡田は、以前からミュージッククリップやジャケットデザインを担当してきて、シンガーというよりアーティストという感性を持つ。
そんな多様な感性やバックボーンがあるにもかかわらず、「ポップスというくくりの中でどれだけ自由に音楽を作れるかに興味がある」と成田は言う。アレンジが独特で、大胡田の書く歌詞もどこか不思議な言葉選びだったりするのだが、メロディーのポップス感やなじみの良さはこのバンドの個性をしっかりと丸く包み込み、たくさんの人に届く曲として昇華させている。