まるで異次元に放り投げられたような感覚の音空間を作り上げている。セッションを重ねて生まれたオリジナル曲からスタンダードナンバーまで取り上げる懐の深さも見事。沖縄だけでなく日本のジャズシーンを担っていくグループといっていいだろう。
心地よい自然体
一方のHarukaze東風(はるかぜ)は、昨年(2013年)結成されたばかりの究極の癒やしサウンドを演奏する男女ユニット。作曲を担当する東正洋のアコースティックギターに乗せて、比嘉久美子が三線で優しい調べを奏でていく様子はとても自然体。初のアルバム「はるかぜのおと。」も、まるで風のささやきや小川のせせらぎをそのまま音にしたような作品だ。とはいえ、単純にしっとりとした音楽をやっているわけではない。南九州に伝わる幻の弦楽器「ごったん」を取り入れたり、ゲストにハープやマリンバを加えるなど随所にスパイスが効いている。そして何より、アルバム全体が一つの物語のように展開していくのが心地よい。目を閉じて聴いていると、のどかな島で一日を過ごしているかのような感覚にさせてくれる。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)