そんな中、出会ったパナマ人の中で一番印象深かったのは、バスの停留所で知り合ったホセという男性だ。一見40代に見えるホセは、実は70歳。結婚歴は3回で、子供は9人と、自慢気に語る。そして今、数週間前に知り合った42歳の女性とデートの待ち合わせ中で、今か今かと落ち着きなく彼女の登場を待っている。パワフルな70歳は「これがパナマ人さ。いやあ、愛は素晴らしい」とニヤッとしてみせた。
≪独特の世界観 先住民「布の芸術」≫
人口の10%弱を占める先住民は主に7民族に分類されていて、そのうち首都のパナマ市では、クナ族と呼ばれる人々をよく見かける。彼らは主にカリブ海のサンブラス諸島に住んでいるが、土産物販売の、いわば出稼ぎ組が首都のあちこちで店を広げる。土産物は日本でも最近販売されている「モラ」という色違いの布を重ねた、飾り布。布を切って表現される世界観は独特で、高級店でガラス張りの中に展示されているモラもある。
中米最後の目的地、パナマから南米の玄関コロンビアまで、地図上では大陸がつながっているが、移動手段は飛行機か船になり、メキシコから利用していたバスの選択肢はない。南北大陸を結ぶパンアメリカンハイウェイもここでいったん途切れるという。