人間の毛の生え方などは、およそ決まったパターンで固定されており、そこから外れた現象が起こると一大事になりそうだ。それに比べて、植物の柔軟さはどうだろう。クサボタンの見事な毛にも、次世代のいのちをどこにどのように散布するか、植物の生き残りをかけた進化の経過が刻まれている。
≪したたかに、美しく 生き残りかけ進化≫
植物が人の目を引くのは、やはり花の美しさだろう。通りすがりの道端の草にも、花が開けば目がとまる。100の草が100の花を咲かせ、季節の仕事をしていることに感心するが、花が終われば忘れられてしまう。しかし、植物にとっては花が咲き終わったあとからが本番だ。子房の中で細胞分裂を始めたわが子を守り、最適のタイミングでちょうどいい場所へ送るために、あの手この手のサバイバル作戦を展開する。その結果、植物の種や実は、花にも負けない多様なデザインをもつようになった。