特筆すべきはその冬眠方法だ。
約8カ月間にもおよぶ冬眠中、彼らは体温を通常の37度からなんとマイナス3度にまで下げるという。氷点下である。そのままでは凍死してしまうので、数週間ごとに目覚め、蓄えた脂肪を使い体温を35度前後にまで回復させるらしいのだ。まさに生死をかけた究極の省エネサバイバルである。
春の大地を駆けまわるその愛嬌(あいきょう)あふれる姿からはおよそ想像できない壮絶な営み。どんな高価な製品よりもはるかに進化した、自然界の最新ボディーである。(写真・文:写真家 松本紀生/SANKEI EXPRESS)
■まつもと・のりお 写真家。1972年生まれ。愛媛県松山市在住。立命館大中退後、アラスカ大卒。独学で撮影技術やキャンプスキルを学ぶ。年の約半分をアラスカで過ごし、夏は北極圏や無人島、冬は氷河の上のかまくらでひとりで生活しながら、撮影活動に専念する。2004年夏、マッキンリー山登頂。著書に「オーロラの向こうに」「アラスカ無人島だより」(いずれも教育出版株式会社)。日本滞在中は全国の学校や病院などでスライドショー「アラスカ・フォトライブ」を開催。matsumotonorio.com