中国・首都北京市【拡大】
中国側にしてみれば、米当局がマイクロソフトなどインターネット・サービス大手をことごとくコントロール下に置き、しかも世界のネット情報の大半が米国内の光通信ケーブルやサーバーを経由する状況で、サイバー戦争を対等に戦える状況ではない。米側のネット探知能力がずば抜けて高いことは、上記の61398部隊とその犯行者たちを特定したことからもうかがわれる。
まずは民間が警告
さらにこの6月9日、サイバー・セキュリティー企業の米クラウド・ストライク社は中国人民解放軍が07年以降、米国や欧州に対するサイバー攻撃を行っているとする調査報告書を公表した。この報告書は、中国人民解放軍総参謀部第3部には61398部隊の他に61486部隊があると暴露し、この部隊を「Putter Panda」と名付けた。部隊は上海市閘北区に拠点を置き、電子メールを通じて特殊なマルウエア(悪意のあるプログラム)を送り付け、米国の国防当局や欧州の衛星および航空宇宙産業などを対象にサイバースパイ活動を行っているという。犯行者の1人の電子メール・アドレスを突き止め、米側のサイバー探査能力を誇示している。