世界禁煙デーの5月31日、インド北東部のガウハティで、お構いなしにたばこをくゆらす男性。禁煙に対する取り組みは国によって大きな差があるが、米国での喫煙規制は世界有数の厳しさで、裁判にも反映されている=2014年(AP)【拡大】
米フロリダ州エスカンビア郡の裁判所の陪審は7月18日、夫が肺がんで死亡したのは長年の喫煙が原因だと主張する女性の訴えを認め、米たばこ業界2位のRJレイノルズ・タバコ社に懲罰的賠償約236億ドル(約2兆3900億円)の支払いを命じる評決を出した。米メディアが19日報じた。1人の原告に対する賠償金額としては全米でも類例がないほどの高額で、キャメルなどの製品で知られるレイノルズ側は「到底受け入れられない手に負えない評決」として異議を申し立てる方針。多分に政治的なメッセージが込められた懲罰的評決とはいえ、仰天の数字に関係者も驚きを隠せないでいる。
24億円だと思ったら…
訴えていたのは、フロリダ州最西部のエスカンビア郡ペンサコーラ市に住むシンシア・ロビンソンさん。米紙ニューヨーク・タイムズにロビンソンさんは19日、「評決の読み上げを最初に聞いた時、(金額の単位が)ミリオン(100万)だと聞こえたの。2360万ドル(約24億円)だから、やったと思って興奮したわ。でも後で弁護士にビリオン(10億)だと教えられて、もう仰天。236億ドルなんてとても信じられない」と話した。