故郷・奈良県を拠点に日本の古き良き姿を映像作品を通して世界に発信してきた河瀬直美監督(45)は、16歳の少年少女の成長を通して生と死を考える新作「2つ目の窓」の舞台に、奄美大島を選んだ。本作で俳優デビューした村上虹郎(17)とダブル主演を務めたのが気鋭の吉永淳(21)だ。「私らしさを役の中に必死に息づかせようとする河瀬監督の意をくんで、ひとりの人間としてまっすぐ役に向き合いました。できることはすべて出し切りました」と振り返り、胸を張った。
自然の脅威、味わった
奄美大島で暮らす高校生の界人(村上)は、父と別れ、現在は恋人もいる母親の岬(渡辺真起子)を快く思わない。一方、同級生の杏子(吉永)も、島民から「ユタ神様」と慕われる母親、イサ(松田美由紀)にある矛盾を感じていた。なぜ神様が医師から余命宣告を受けるのか。いらだちを募らせた2人は…。
自身のルーツが奄美大島にあることを知った河瀬監督は、現地へ足を運び、太古から神、自然、人間が共存してきた姿にすっかり魅せられ、作品化を決意したという。