撮影では「自然の脅威を十分に味わいました」と吉永。台風が通過した前後の荒波の中、200メートル沖まで泳ぎ、水深3~4メートルで裸で泳ぐシーンを4日間かけて撮影した。制服を着て泳ぐ同様のシーンもさらに4日間撮った。「制服に重りをつけて体が浮かないようにしたので、本当におぼれそうになりました」
当然ながら生と死を考えざるを得なかった。「死を覚悟した人は、今をしっかりと生きている人ではないかと思えてきました。実は監督の後ろ姿にもそれが感じ取れたんです」。若い吉永は、多くの課題が与えられる今を、むしろ楽しめるぐらいの気持ちで過ごしたいそうだ。
飾らない生身の自分
一方、演技で試行錯誤を重ねる吉永を間近で見てきた松田は「淳ちゃんは本当に苦労してましたね」と振り返り、経験豊富な先輩女優としてクリアすべき課題をこう指摘してみせた。「思い切って“いい子ちゃん”になることを捨て去り、飾らない生身の自分に近づけること。それができなければ、杏子という人物像には到底近づけません」