≪習政権 不文律を破り「トラたたき」≫
習近平政権が、長く汚職追及の最大標的とみられてきた周永康・前政治局常務委員の取り調べを発表した。最高指導グループにあたる政治局常務委員に対しては、現職、経験者を問わず「刑不上常委」(常務委員には刑事責任を追及しない)との不文律があったが、習政権はこの慣例を破った。
周氏は石油閥のトップとして資源利権を使って私腹を肥やす一方、党政法委員会書記を務めた経歴から、司法、警察畑を牛耳ったことで、国内での追及を逃れたとみられてきた。
北京の共産党史の研究者によると、かつての最高実力者、●(=登におおざと)小平(とう・しょうへい)氏は、党内対立が1989年6月の天安門事件を誘発したとの反省から、党内の権力闘争の激化を避けるため「刑不上常委」という言葉を残したのだという。こうした中で、習氏が周氏の取り調べに踏み切った背景には、経済利権と治安機関を握り続けた周氏をも排除することで、習氏の求心力を高め、政権基盤の強化につなげようとの思惑があるとの見方が強い。