バラク・オバマ米大統領(52)は7月29日、ロシアがマレーシア航空機撃墜後もウクライナ東部の親ロシア派への支援を続けているとして、ロシアに対する経済制裁を強化すると発表した。欧州連合(EU)も29日、本格的な経済制裁発動で合意。30日には個人や企業・団体を対象にした在欧資産凍結の追加制裁を発動する。米欧は連携してプーチン政権への圧力を強めた。
オランダ人を中心に乗客乗員298人が犠牲になった撃墜事件で、親露派武装勢力がミサイルを撃ったとの見方を強める米欧は、基幹産業であるエネルギー、防衛、金融分野を標的に、ロシアに冷戦終結後最も重い制裁を発動。ロシアによるウクライナ南部クリミアの併合で亀裂が入った米欧とロシアの関係はさらに溝が深まった。
米政府が今回の制裁対象としたのはVTB銀行、モスクワ銀行、ロシア農業銀行の政府系3金融機関と、国営軍需企業の統一造船。3行には米国人との一定の取引を禁じ、統一造船に対しては米国内の資産を凍結し、米国との取引を禁止する。
石油掘削や油田開発に用いる機器、技術をロシアのエネルギー関連企業に輸出することも禁じる。