検察当局は2012年8月に福島原発告訴団などからの告訴・告発を受理して捜査を開始。昨年(2013年)9月に地震や津波は「具体的に想定されていなかった」などとして告訴・告発された計42人を不起訴とした。告訴団はこれを不服とし、旧経営陣6人に絞り、検審に審査を申し立てていた。
勝俣元会長らへの起訴相当議決を受け、(7月)31日に東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した福島原発告訴団の河合弘之弁護士は、「適切な決定が出た。非常に感動的な内容だ」と興奮気味に話した。
≪望み薄い新証拠 難しい再捜査≫
検察審査会の「起訴相当」議決を受け、東京電力福島第1原発事故の再捜査が始まる。だが、災害が引き金となった事故の刑事責任認定は難しく、新証拠が浮上する公算も小さいため、再捜査でも立件は相当困難な状況だ。ただ、東京第5検察審査会は捜査結果を否定する形で旧経営陣を厳しく指弾。検察は民意も意識しながら難しい捜査を展開することになりそうだ。