≪福井地裁判決「危険性あれば当然」≫
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐり、住民らが関電に運転差し止めを求めた訴訟で、福井地裁(樋口英明裁判長)は5月21日、「危険性があれば運転差し止めは当然」として、2基の再稼働を認めない判決を言い渡した。東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故後、原発の差し止めを認める判決は初めて。
3、4号機は昨年(2013年)9月に定期検査入りで停止。関電は再稼働に向けて原子力規制委員会に審査を申請し、昨年(2013年)7月に施行された新しい規制基準に基づく適合審査が続いている。今回の判決は各原発の審査に影響を与える可能性もある。関電は「速やかに控訴する」としている。
差し止めを命じた判決が確定しない限り、審査に適合すれば再稼働できる。菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は5月21日の記者会見で、基準に適合すると認められた場合、再稼働を進める政府方針に変わりはないとの認識を示した。