樋口裁判長は「原発は社会的に重要だが、電気を生み出す一手段にすぎず、人格権より劣位にある」と指摘した上で「具体的な危険性があれば、運転が差し止められるのは当然」と述べた。「福島事故では250キロ圏内の住民への避難勧告が検討された」ことを根拠に、原告189人のうち250キロ圏内の166人の請求を認めた。
原発差し止め訴訟で住民側が勝訴したのは、金沢地裁が2006年、北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の運転停止を命じた判決(名古屋高裁金沢支部で逆転、確定)に次いで2例目。大飯原発3、4号機をめぐっては、大阪高裁が今月(5月)9日、別の住民らが運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審で「裁判所が判断するのは相当でない」として、住民側の申し立てを却下する決定をしていた。
判決を受け、福井県内の自治体の首長や地元住民からは一斉に判決を疑問視する声が上がった。企業関係者からは「再稼働が認められず電力不足になれば、生産活動や雇用にも影響が出る」などの声も聞かれた。