米中間選挙で焦点となる激戦州=2014年11月4日投開票、※2014年8月2日現在【拡大】
≪急増する子供の不法移民 身動き取れず≫
「帰ればギャングに殺される。米国で働きたかった」。中米ホンジュラスから米国へ不法入国しようとし、南部テキサス州と川を隔てたメキシコ・レイノサで国境警備隊に拘束されたホセ・レジェス君(17)は、収容施設でうつむいた。
米国では、中米諸国から保護者に付き添われずに不法入国する子供が急増している。ギャングの脅しや貧困から逃れるためというのが主な動機だ。
レジェス君も故郷でギャング団にしつこく勧誘された。「加われば金も銃も与えるが、断れば山の中で殺すと言われた」。身を案じた母親に促されて国を出たが、送還される。
米国への子供の不法入国者は、昨年(2013年)10月から今年7月までに約5万7000人と、前年同期比で倍増した。国境の川を渡る際に溺れて命を落とす子もいる。
「緊急の対応が必要な人道問題だ」。オバマ大統領は子供たちの医療費や国境警備強化費用などとして約37億ドル(約3800億円)を議会に要求した。