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【理研・笹井氏自殺】STAP解明のキーマン 小保方氏らに3通の遺書 (3/5ページ)

2014.8.6 10:00

2014年1月28日、小保方晴子(おぼかた・はるこ)さん(左)とともにSTAP細胞の研究発表にのぞんだ理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長=兵庫県神戸市中央区の理化学研究所(共同)

2014年1月28日、小保方晴子(おぼかた・はるこ)さん(左)とともにSTAP細胞の研究発表にのぞんだ理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長=兵庫県神戸市中央区の理化学研究所(共同)【拡大】

  • STAP細胞問題をめぐる経過=2014年1月28日~8月5日
  • STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)の主論文の著者=2014年3月16日現在
  • 【STAP細胞】小保方(おぼかた)晴子氏の疑惑の構図(賛否はSTAP論文の撤回について)=2014年4月9日現在
  • 新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の作製方法=2014年2月2日現在

 再生医療の牽引役失う

 笹井氏は小保方氏らとともに、この補足論文で筆頭著者を務めており、実験データや論文作成の経緯を知る立場だった。論文2本は既に撤回されたが、不正の全容解明に向け追加調査は欠かせない。笹井氏の証言が得られなくなったことで真相究明は難しくなる。

 一方、理研は細胞が存在するかどうかを科学的に確かめる検証実験を4月に開始し、近く中間報告を発表する。笹井氏は検証実験に関与しておらず、自殺との関連は不明で、理研は予定通り実験を進めるという。

 また、笹井氏の死去は再生医療を重要な柱と位置付ける国の成長戦略にも影響を与えかねない。笹井氏はES細胞などを使った国の研究プロジェクトを主導しており、昨年(2013年)1月には安倍晋三首相(59)が研究室を視察している。

 笹井氏が所属する研究センターでは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究として、目の難病を治療するための移植手術が近く行われるが、笹井氏は移植で使う細胞を作製する基礎技術の確立で貢献した。文部科学省の関連研究で責任者も務めており、牽引(けんいん)役を失った影響が懸念される。

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