≪「県外移設」の因縁 保守分裂の決断≫
「基地問題を含め、同じ考えを持つ人に巡り合うことができなかった」
仲井真氏は8月7日の記者会見で後継者に道を譲らず、出馬に至った胸のうちをそう吐露した。普天間飛行場移設問題で翁長氏との決別を宣言したに等しい。
両氏の激突は、昨年(2013年)12月27日に仲井真氏が普天間飛行場の名護市辺野古への移設で埋め立てを承認した前後に確定していた。
ルビコン川を渡った翁長氏
「翁長さんはルビコン川を渡ったんですかね」
埋め立て承認から約1週間後の今年正月、仲井真氏は面談した知人に漏らした。翁長氏が「ルビコン川を渡る」とは、辺野古反対で社民、共産両党など革新勢力と共闘し、知事選に出馬することを指す。
実際、翁長氏はすでにルビコン川を渡っていた。
「一緒にやれないか」。昨年(2013年)11月、自民党県連幹部は翁長氏に何度も直談判した。県連は普天間飛行場の県外移設要求から辺野古容認に転換する大詰めの段階に入っており、翁長氏にも同調を求めた。