「仲井真さんの後継者は君しかいない」。県連幹部は知事選に触れつつ説得した。翁長氏は承認を「追認」するという線で歩み寄りかけたが、同意には至らなかった。かつて辺野古移設を推進した翁長氏が今回、同意しなかった理由は、仲井真氏との因縁を振り返るとよく分かる。
2010年の前回知事選。09年に発足した民主党政権の普天間問題での迷走のあおりを受け、県外移設を訴える県民の声が一気に高まった。自民党県連も知事選を前に、県内移設容認から県外移設要求に転じるよう仲井真氏に迫った。
仲井真氏は「手を縛られたくない」と激しく抵抗したが、引導を渡したのが翁長氏だった。「県外」をのまない限り、選対本部長を引き受けないと伝え、仲井真氏の首を縦に振らせた。
仲井真氏が再選を果たしたことで、翁長氏は「県外」を訴えないと知事選に勝てないとの思いを強めたという。昨年(2013年)末の埋め立て承認への県民の反発を目の当たりにし、翁長氏のその思いは「確信に変わった」と県連幹部は語る。翁長氏がルビコン川を渡る決意をしたのはこの時だった。