女性の活躍できる社会の実現に向け、NPO活動などに取り組むタレントの菊池桃子氏。9月上旬の内閣改造では閣僚起用も取り沙汰される=2013年8月28日、東京都港区(戸加里真司撮影)【拡大】
菊池氏はNPO法人「キャリア権推進ネットワーク」理事に昨年(2013年)春、就任。自分の働き方を主体的に選べる「キャリア権」の普及を目指し活動する一方で、母校の戸板女子短大客員教授として労働分野の講義も続けている。女性の労働問題への強い思いは、脳梗塞を患い左手足にまひが残る長女の子育てから培われた。2012年には法政大大学院で雇用問題を専攻し、修士号を取得。学問や政策に対する関心は年々強まるばかりだ。
こうした動向を受け、森氏の後継閣僚として「菊池氏が民間から抜擢(ばってき)されるのではないか」との憶測が自民党議員の間で駆け巡った。
そもそも首相の女性登用に対する思いは強い。一昨年(2012年)12月に政権を奪還すると、党三役の総務会長と政調会長にそれぞれ野田聖子(53)、高市早苗(53)両氏を起用。6月に閣議決定した新成長戦略では、社会の指導的地位に占める女性の割合を20年までに3割以上とする目標も設定した。
この目標を内閣で実現するには、18人を上限とする閣僚のうち6人を女性にしなければならない。歴代内閣では最も多くて第1次小泉純一郎内閣の5人だった。410人に上る自民党国会議員のうち女性は40人で1割程度にすぎず、現在の安倍政権下で自民党議員の女性閣僚は稲田朋美行革担当相(55)と森氏の2人だけだ。