信じることは勇気が要る
本作はプレーヤー同士がお互いの正体を探り合う欧州発の人気心理ゲーム「人狼ゲーム」を映画化したもの。高校生10人がある日、何者かによって学校のような施設の大部屋に連れ込まれ、人狼ゲームへの参加を強いられた。「人狼」のカードを与えられた由佳(土屋)は多数の「村人」役のプレーヤーたちに紛れ込み、正体を隠しながら1人ずつ殺害していかなければならない。「村人」役も「人狼」役を見つけ出し、処刑することが義務づけられている。最後まで生き残った者には賞金1億円が贈られるという。非日常的な体験を渇望していた由佳は次第に興奮を覚え…。
「あいつは人狼ではないか?」と疑心暗鬼になり、「だまされる前に殺せ」と激しい焦燥感にさいなまれるプレーヤーのやり取り、表情、態度がいろいろに見て取れて面白い。次第に心と体のバランスを崩していく由佳の役作りでは「熊坂監督の指導を受け、自分を相当追い込みました」と土屋。よりリアルに見える人間像を構築しようと、「自分の内面をむき出しにし、さらけ出して、その上で、由佳の立場になって『自分ならばこうするんだ』と、しっかり意識しながら表現することに集中しました」と振り返る。