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道路、鉄路 作り、選び、進む理由は 町田康 (1/4ページ)

2014.8.15 15:30

道路、鉄路_作り、選び、進む理由は=神奈川県横浜市中区(町田康さん撮影)

道路、鉄路_作り、選び、進む理由は=神奈川県横浜市中区(町田康さん撮影)【拡大】

  • 「男一代之改革」(青木淳悟著/河出書房新社、1728円、提供写真)
  • 「なんでもない所をどう表現するかに、作家の蓄積した技術が試されると思う」と話す、作家の町田康さん=7月26日、東京都港区(瀧誠四郎撮影)

 【本の話をしよう】

 私は読み狂人。朝から晩まで読んで読んで読みまくった挙げ句、読みに狂いて黄泉の兇刃に倒れたる者。そんな読み狂人は先ほどからせつない気分でいる。なぜかと言うと、青木淳悟の『男一代之改革』を読んだからである。

 『男一代之改革』には、「男一代之改革」「鎌倉へのカーブ」「二〇一一年三月-ある記録」の3編が収められているが。どれもせつなかった。例えば、「鎌倉へのカーブ」は30代前半かそれくらいの夫婦、の特に夫の方が道路や鉄道について考えたり、経巡(へめぐ)ったり、経巡ること考えたりする話で、というと、それのどこがせつないのか、と思うかも知れないが、これが極度にせつない。

 どこがせつないのか、なぜせつないのか、というと、それは不思議なせつなさで、例えば、道路がそこに引かれてある、ということ、そしてそこを人が通行するというただごとが、この小説を読んでいると不思議にせつなく思えてくる。

 合理的ばかりではない

 道路というものは、読み狂人は道路を開鑿(かいさく)しようと思ったことは当たり前の話だがないのだけれども、その時点で誰かが合理的な理由で開通せしめたものだろう。ここに道があった方が物産を運びやすいとか、兵力を動かしやすいとか。

人の心の動きと同調して

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