意中の石破茂(いしば・しげる)幹事長(写真右)が難色を示したことで、安倍晋三(しんぞう)首相が内閣改造のポイントとする安全保障担当相の人選は暗礁に=2014年8月5日、東京都千代田区永田町の自民党本部(酒巻俊介撮影)【拡大】
自民党内には、小野寺五典(いつのり)防衛相(54)の安保担当相兼任も取り沙汰されている。ただ北朝鮮や中国といった日本を取り巻く安全保障上の脅威に迅速に対応するため防衛相は危機管理に専従させべきだとの見方もあり、首相の判断が注目される。
小野寺氏を防衛相として留任させるかどうかも内閣改造のポイントの一つだ。日米両政府は年末までに、自衛隊と米軍の役割分担を定める「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」を再改定する。この作業には、日本政府が7月に閣議決定した集団的自衛権の行使容認や、有事に至らない「グレーゾーン事態」への対処などが反映される見通しで、これまでチャック・ヘーゲル米国防長官(67)と良好な関係を築いてきた小野寺氏を敢えて変える必要があるのか、思案のしどころとなるためだ。
仮に小野寺氏が防衛相を外れるとしたら、その後任には岩屋氏や今津寛元防衛副長官(67)、江渡聡徳(えと・あきのり)前防衛副大臣(58)らの起用が党内ではささやかれている。(峯匡孝/SANKEI EXPRESS)