予想通り、太田さんはタイブレークには「反対」の立場だった。「ボロボロになるまで死力を尽くすのが高校野球だし、それがファンに愛される理由」とその主張は明解だった。
あの延長十八回を投げ終えた翌朝、宿舎で目覚めた太田さんはすぐには布団から起き上がれなかったという。「背中に鉄板が入っているように重くて。再試合でマウンドへ立てるのかどうか心配だった」と振り返る。
「洗面所では腕が上がらず、仕方なく顔を手のひらへ近づけて洗った」という太田さんだが、2日で383球の投球には何の疑問も感じなかったとする。「当時の高校野球はエース1人が投げ切るのが当たり前だったから」
タイブレークについては「少なくとも甲子園の本大会ではやってほしくない。もし、決勝がタイブレークになって決着がついても、だれが納得しますかね?」。あの引き分け再試合を経験した太田さんの言葉だけに説得力を感じた。(三浦馨/SANKEI EXPRESS)