驚きのプレゼント
球場を訪れる前日、試合前の栗山監督にお礼のあいさつをするために日本ハムの本拠地・札幌ドームに顔を出した。
すると、同級生で内野手の金子誠がベンチ裏で数本のバットを抱え、プレゼントしてくれた。バットはチームメートの稲葉篤紀(あつのり)、大引啓次(おおびき・けいじ)、中田翔(なかた・しょう)の3選手のもので、みんな日本ハムの中心選手たちだ。日本の野球ファンからすれば、こんなうらやましいことはない。「(ニュージーランド代表の)試合のときに、選手に使ってもらってほしい」。金子は笑いながらそう言った。
11月上旬に台湾でU21のワールドカップが開催される。日本代表も出場するこの大会に、ニュージーランド代表も遠征する。私も初めてベンチに入る予定だ。金子はそのことを知って、サプライズを用意してくれていたのだ。
ニュージーランドに行くと決めたとき、野球を通じて日本との架け橋になりたいと思った。現役時代はライバルでもあった仲間たちが、その活動に力を貸してくれる。胸が熱くなった。