「岡本太郎とアール・ブリュット-生の芸術の地平へ」展のキュレーターを務めた中津川浩章さん(左)と、一般社団法人「Get_in_touch」理事長、東ちづるさん=2014年7月18日、神奈川県川崎市多摩区(提供写真)【拡大】
確かに、障がいをもつアーティストの作品の多くは、実に雄弁で、心にダイレクトに突き刺さってくる訴求力を持つ。
たとえば、出展作品であるアトリエ・コーナスの大川誠さんの「makoot(マクート)」。ニードルパンチという技法を用いて製作したフェルト人形は、とびきり人懐っこく、「ねぇねぇ」と語りかけてくるような親しみやすさがある。マクートのファンは多く、アニメが制作されたり、人形劇に使われたりと、日本だけでなく海外でも人気だという。
そして、壁一面に展示されている中津川さん自身の作品は、流動的な人生をぶつけるような、自由闊達(かったつ)なリズムを刻むような作品だ。決して固定されない、こちらの心理状態で変化する不思議さ。ずっとたたずんで眺めていたくなる。