この頃の合言葉は「10年後は東京国際フォーラムで」「いつかは海外公演を」。転機となったのは、舞台3年目の09年に初演した「花ト囮(おとり)」。上演した池袋シアターグリーンで開催された演劇祭で、ダンス作品でありながらグランプリを受賞したのだ。
「僕たちは演劇の世界で評価を受けるのかもしれない」。その後、芸術見本市で作品をプレゼンテーションしたところ、海外の演劇祭などへの道が開けた。世界三大演劇祭の一つ「シビウ国際演劇祭」(11年・ルーマニア)ではスタンディングオベーションを巻き起こし、中東最大の演劇祭「ファジル国際演劇祭」(12年・イラン)では「花ト囮」が審査員特別賞と舞台美術賞の2冠を達成した。
そして、今月(9月)6、7日には合言葉だった東京国際フォーラムの単独公演を行う。ストリートダンスとしては異例のことだ。演目は、再演を重ねる度に進化する「花ト囮」。黒澤明監督の「夢」からインスピレーションを得たこの作品は、キツネの嫁入りを目撃した兄弟が迷宮へとさまよい込む幻想的なストーリー仕立て。障子や唐傘などの日本的な道具がダンスと絡み合いパズルのように繰り出される。